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人格の成熟を促すために知っておくと良いポジション論とは?

    
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人格の成熟を促すために知っておくと良いポジション論とは?

皆さんの人格は、
十分に成熟していますか?

それとも、まだまだ、
熟成中ですか?

けれど、未熟な人格って、
結局、どういうことなんでしょうね?

今回は、そのことについて、
お話してみたいと思います。

ご興味があれば、
どうぞ最後まで、
お付き合いくださいませ。

難しすぎる精神分析の世界

数年前に、勉強会の案内が届き
毛嫌いしていた精神分析を、
少し学んでみることにしました。

なぜ、毛嫌いしていたかというと、
複雑すぎて難しそうだし、
一般の保険診療では、
時間に限りがあるから、
時間がかかり過ぎて、
実践には取り入れにくい
という理由でした。

しかし、経験を重ねていくと、
色々なアプローチ方法を、
知っておく必要があると、
気付いたのです。

薬物治療だけに終始徹底する、
精神科医は、三流以下ですから。

なので、どっぷりと、
精神分析の世界にはまり込む、
つもりはなく、
実践に役立つエッセンスだけ、
学び取ろうと思い、
勉強会に出て学び始めました。

ただ、本当に、
表面を少しかじっただけなのと、
相当私の解釈が入っているので、
その道のプロの方から、
注意が入るかもしれません笑

それでも、構わない方は、
この先、読み進めてくださいませ。

実践に役立つことだけ取り入れる

えー精神分析家というのは、医者というより、一種、芸術家のようなものです。

分析魔X

え?芸術家?

なので、40歳を過ぎてから、本領を発揮する人が多いのです。

分析魔X

え?40歳過ぎてから?じゃあ、私もまだまだこれからいけるってことね!

治療だけではなく、芸術の解釈にも使える概念なのです。

分析魔X

おーちょっと楽しみになってきたぞ。

この勉強会では、フロイトから派生した、クラインを中心に学んでいきます。

分析魔X

へー。

その前に、なぜ、精神医学が、フロイトを採用しているかは、わかっていますね?

分析魔X

え?そういえば、数ある、哲学や、心理学の中から、なぜ私たちは、学生時代から、精神医学を学ぶときには、フロイトだったのだろう?

フロイトは、やはり、人間の生理的機能と、精神活動を、結びつけて考えているからなんですね。

分析魔X

ああ、そうか。精神学ではなくて、精神医学だもんな。

特に、リビドーつまり、性欲のもつエネルギーに注目したわけですね。

分析魔X

ふむふむ。

クラインになると、もっと遡って、両親結合像などの、イメージが出てきます。

分析魔X

ん?なんか、エロくなってきたぞ。

まあ、精神分析は、えぐいエロがいっぱい出て来ますから、覚悟しといてください。

分析魔X

まあ、今更、ビビることはない。

人格のポジション論

余談ですが、フロイトの亡き後、娘のアンナフロイトとクラインの派閥争いが勃発しました。

分析魔X

いつの時代も、女の争いはあるんだな。

そして、クラインが追い出されたのです。

分析魔X

へー。

実は、最近人気のアドラーも、かつてはフロイトと同じ研究室にいました。

分析魔X

え?うそ?アカデミックな人だったの?

でも、おそらく、こねくり回す、不毛な研究に嫌気が指して、ウィーンの町医者となり、その後は、実践的救済に、身を捧げたのです。

分析魔X

だから、一般の人には、受け入れられやすいんだな。

なので、精神分析も、やはり、実践的に救済できる理論でなければ、意味がないですよね。

分析魔X

確かに!というか、それだけでいいから知りたい!

なので、まずは、人格のポジション論からやりましょう。

分析魔X

人格のポジション論?

妄想分裂ポジション

まあ、手始めなので、ごくごく簡単に。

分析魔X

簡単って言っても、難しそうだなあ。

昔から知られていた、内因性の精神病は、主に、統合失調症、躁うつ病ですよね。

分析魔X

そうですね。今でも、割と、重症な方の、精神疾患ですね。

昔は、薬物治療もなかったので、治療には相当苦労したと思います。

分析魔X

そうですよね。どうやっていたんだろう?

まあ、それは置いといて。

分析魔X

置いとくんかーい!

人格の成熟には、段階があります。

分析魔X

はい。

一番未熟は、妄想分裂ポジションです。

分析魔X

妄想分裂?統合失調症みたいだな。

ざっというと、何か都合の悪いことは、全部、周りが悪いっていう、被害他罰的な、考え方ですね。

分析魔X

ドキッ。

まあ、つまり依存的でもありますよね。赤ちゃんレベルです。

分析魔X

赤ちゃんかー。

周りが全部悪いので、非常に攻撃性も高いですね。

分析魔X

躁的防衛ポジション

次に、躁的防衛です。

分析魔X

ふむふむ。

これは、何か都合の悪いことが起こると、自分をすごいことにして、そのことが大したことではなくしてしまう状態です。

分析魔X

自分をすごいことにしてしまう?

自分は、偉いし、優れているし、正しい、という非常に、爽快で愉快な気分になりますね。

分析魔X

確かに。

けど、それを、止めようとする人には、横柄で乱暴になります。

分析魔X

確かに、躁状態の人もそうなりやすいな。

妄想分裂でも、躁的防衛でも、結局、その都合悪い問題には、直面できていないのです。

分析魔X

確かに。

それが、人格が未熟ということなのです。

分析魔X

なるほどー!

抑うつポジション

そして、都合の悪いことに、初めて直面できるのが、この、抑うつポジションです。

分析魔X

抑うつ?うつ状態ってことなのかな?

いわゆる、自責自罰な考えですよね。

分析魔X

うつの人は、大体自分を責めますね。最近は、そうじゃないうつの人も結構いますけど。

そうです。現れている、病気の症状と、人格のポジションは、必ずしも一致しません

分析魔X

確かに。それぞれの病態に、なりやすいポジションはあるかもしれないけど、必ずしもそうじゃない。

それが、最近の、診断を複雑にしているのかもしれません。

分析魔X

うつなのに、妄想分裂ポジションとか、統合失調症だけど、抑うつポジションとか、そんな感じかな?

そして、抑うつポジションになって初めて、ああ、全ての原因はこの自分にあったんだという、自分の非を認めるという、絶望感の境地に至るのです。

分析魔X

それが、なるほど。都合の悪いことが起こるのは、結局自分のせいだったという、なかなかに認めたくない真実だな。

それは、非常に勇気のいることなのです。

分析魔X

確かに、自分の非を認めるのには、勇気がいるな。

けれど、その絶望から、何をつかむかで、その後、その人が良い方向に進んでいくかどうかが、決まるのです。

分析魔X

絶望の淵で何をつかむか?それが大事なんだな。

「うつ」にはならないほうがいい?

精神分析の、
ポジション論をかじって、
気付いたことがありました。

魔女医、もしかして、人が、うつになるのって、そんなに悪いことじゃないんですかね?

何言っているの?偉大なる魔プロフHも常々言っていたでしょ?うつは、人格が健康な人がなるもんだって。

魔女医

ああ、そんなこと、言ってましたっけ?よく意味がわかってませんでした。

やっと、わかってきたのね!

魔女医

はい。でも、最近は、人格が未熟なうつの人もいますね。

人格の成熟度は、その後の病状回復にも、影響すると思うわよ。

魔女医

人格が未熟なままの人は、なかなか、症状も良くならなかったりしますね。

そう。だから、まず、抑うつポジションまでいけるかどうかが、鍵となってくるわね。

魔女医

つまり、人が、ある程度、うつになるのは、そこから、より良くなるために、通過しないといけない状態像なのかもしれないですね。

そう。だから、本来は、うつになって、おめでとう!もうすぐ良くなるよ!なのよ。ただ、程度の差があるから、気をつけないといけないけどね。

魔女医

「うつ」はより良く生きるためのもがき

うつになるってことは、直面する勇気は出たわけだから、あとは、そこから何を掴んで帰ってくるかなのよ。

魔女医

なるほど。

例えば、アルコール依存症の人は、気づかれにくいけど、ほとんどの人が、実はうつで絶望しているのよ。

魔女医

彼らは、絶えずお酒を飲むから、本来の姿がなかなか見えにくいけど、うつが先行している人が多いですね。

本当は、彼らは、絶望から、喜びを見つけたくて、でも、弱いところを見せたくなくて、お酒に頼る場合がほとんどなのよ。

魔女医

心の底では、喜びを求めているんですね。

色々、問題行動があるから、理解されにくいけどね。

魔女医

残念ですね。

それほど、もがいているの。うつになった人は、本当の喜びに、たどり着きたがっているのよ。

魔女医

そう考えると、本当に良くなる前に、必要な過程なんですね。

「うつ」を乗り越えた先に真実がある

そうして、もがいて、乗り越えた先に、真実が待っているのよ。

魔女医

真実?

もちろん、絶望しすぎて、命を失うようなことがあってはいけないから、そこは、医療の役割よ。

魔女医

はい。わかってます。

気をつけていても、自死を防げないことはあるけど、なるべくそれを防ぐために、暗くて長いトンネルを抜けたら、必ず光が見えることを、指し示して行かないといけない。

魔女医

はい。その使命は感じています。

だけど、世の中には、まだまだ、抑うつポジションになる準備のできていない人も、たくさんいる。

魔女医

そうですね。

そういう人には、今は、寄り添うしかないの。無理矢理そこに持っていくことはできない。促すことはできるけど。

魔女医

あくまで、最後は、自分でたどり着かないと、いけないんですね。

そういうこと。

魔女医

抑うつポジションっていうか、絶望ポジションですね?

まあ、そんなところね。

魔女医

つまり、まとめると、被害他罰や、傲慢な、考えで、自覚がないままでいたら、一向に人格は成熟しないし、それ以上にその人の状況は、良くならないってことですね?

まあ、残酷だけどそういうことね。

魔女医

人格が成熟するためには、抑うつポジション、つまり、自責自罰的な、一種、絶望にも似た状態にならないと、そこから上には行けないってことですね?

今日のあなたは、なかなか、厳しいことを言うわね。

魔女医

ふふふ、いつもの、反逆です。

まあ、いいわ。けど、あんまり怖いこと言うと、みんな逃げていくから。

魔女医

つまり、誰でも、本当は、より良く生きたいと、願っているってことですよね?

そうね。だから、人生のどこかで、苦悩するようにできているのかもね。

魔女医

それに気づくか、気づかないか、ただ、それだけですね。

そういうことね。

魔女医

そして、それには、勇気がいるってことですね。

そう。勇気を出して、初めて、本当の自分の人生を歩む準備ができるのよ。

魔女医

そのために、うつになるのも、悪くないってことですね?

まあ、生命的な危機にならない程度にね。本当に、うつは辛いから。

魔女医

脳と精神を持った人なら、誰でも、一生のうちに、精神の不調をきたすことはありますよね?

そうよ、誰でも、精神疾患にかかる可能性はあるのよ。でも、それがなんだって言うの?

魔女医

恐れることはないですね。私も、もっと、人格の成熟を目指していきます。

そう、妄想分裂と躁的防衛、抑うつは、誰でも行ったり来たりしながら、成熟していくからね。特に弱った時に、試される。

魔女医

はい。ピンチの時こそ、気づくチャンスだと思って、磨いていきます。

ま、頑張ってみて。

魔女医

はい!ありがとうございました!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

そう考えると、
程度は色々あるし、
もちろん病的レベルには、
至らないほうがいいですが、
抑うつポジションになるのは、
悪くないですね。

人格の成熟という観点から、
なるべく難しくないように、
書いてみましたが、
色々間違った解釈があれば、
ご容赦ください。

あくまで、私独自の、
切り口なので。

あなたは、今、
どの人格ポジションにいますか?

よかったら、参考に、
なさってみてくださいね。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました!