『趣味?いろいろあるよ』と答えたあと、ひとつも語れなかった自分
趣味はある。リストにすれば並ぶ。でも、いざ語ろうとすると何も出てこない。その空虚さの正体は、趣味の数ではなく、自分の不在だった。
『趣味は?』と聞かれて、少し胸を張って答えた。『いろいろあるよ』と。嘘ではない。実際、やっていることはある。ジムにも通っている。読書もする。映画も観る。キャンプにも行ったことがある。資格の勉強だって始めた。リストにすれば、それなりに埋まる。でも、相手が『へえ、例えば?』と聞き返した瞬間、言葉が詰まった。何を語ればいいのか、わからなくなった。ジムのこと?でも、週に何回通っているかを言ったところで、それは数字でしかない。読書?最後に読んだ本の内容を、ちゃんと覚えているだろうか。映画?面白かったかどうかすら、曖昧だ。結局、口から出たのは『まあ、普通に色々』という、何も語っていない言葉だけだった。
その時、自分でも気づいた。自分には、趣味があるようで、何もないのかもしれない。いや、もっと正確に言えば、趣味という「形」だけがあって、中身が空っぽなのだ。やっていることはある。でも、それについて語れることが、何もない。語りたいことが、何もない。それは、趣味がないよりも、もっと惨めだった。
人は、何かを始める時、必ずしも情熱から始めるわけではない。好奇心で始めることもある。流行っているから始めることもある。周りがやっているから始めることもある。健康のため。自己啓発のため。時間を埋めるため。理由は、いろいろある。そして、始めること自体は悪いことではない。問題は、その後だ。惰性で続けていると、いつの間にか、それは「義務」に変わる。やらなければいけないもの。やっていないと、サボっているような気がするもの。そうやって、趣味は趣味でなくなっていく。楽しむためではなく、「やっている自分」を維持するためのものになる。
ジムに通うのは、健康のためだ。でも、本当に自分の体と向き合っているだろうか。それとも、ただマシンの前に座って、数をこなしているだけではないか。読書をするのは、知識を得るためだ。でも、本当にその本を味わっているだろうか。それとも、ただページをめくって、読了数を増やしているだけではないか。映画を観るのは、感動を求めてだ。でも、本当に心が動いたのは、いつが最後だっただろうか。それとも、ただ時間を消費しているだけではないか。
趣味という形だけを積み上げても、その奥に自分がいなければ、それはただの「やったことリスト」でしかない。そして、リストには熱がない。語るべき言葉もない。ただ、項目が並んでいるだけだ。だから、いざ『趣味は?』と聞かれた時、何も語れなくなる。なぜなら、語るべき「自分の体験」が、そこにないからだ。
もしかしたら、本当は他にエネルギーを注ぎたいことがあるのかもしれない。ただ、それが何なのか、まだわかっていないだけかもしれない。あるいは、わかっているのに、認めたくないのかもしれない。世間的に価値があると思われているものを並べて、自分を飾ろうとしている。でも、それは自分ではない。自分が本当に心を動かされるものは、もっと別のところにあるのかもしれない。それは、もっと地味かもしれない。もっとマイナーかもしれない。もっと説明しづらいかもしれない。でも、それこそが、本当の意味で自分の内側から湧いてくるものなのかもしれない。
長く続くものは、案外刺激は少ないかもしれない。派手さもない。劇的な変化もない。ただ、静かに、淡々と、続いていく。それは、外から見れば地味に見える。でも、力まなくても続くものにこそ、静かな情熱がある。無理をしなくても、そこに手が伸びる。気づけば、考えている。気づけば、触れている。そういうものこそが、本当の意味で自分に根ざしたものだ。
そして、それはいつか共鳴を生むかもしれない。同じように静かに何かを続けている誰かと、ふとした瞬間に繋がるかもしれない。その時、語るべき言葉は自然に出てくる。なぜなら、そこには本当に自分がいるからだ。
趣味という形だけを集めても、内側が空っぽなら、それは痛い。
本当に必要なのは、力まずに続けられる、自分だけの静かな炎を見つけることだ。
無料診断 / 約5分 / 詳細レポート付き
SPECIAL GIFT
読み終えた今、あなたの「男の自信」タイプを診断しませんか?
30問のチェックで、いまの自信の揺らぎを4つのタイプから見立てます。診断後は、あなた専用の詳細レポートも受け取れます。
- あなたの現在地が4タイプでわかる
- タイプ別の詳細レポートを受け取れる
- これから整える3つのステップが見える