誰かを注意するときに意識すると良い「叱る」と「怒る」の違いとは?
「叱る」と「怒る」の違いは何?
と疑問に思うことがありますよね。
叱っているようで、怒っていたなど、
特に子供に注意する時に、
とっさにやってしまいます。
職業柄、実は、患者さんにも、
心を鬼にして、
注意しないといけない状況も、
たまにあります。
その時に、意識していることがあります。
今回は、そのことについて、
お話しようと思いますので、
ご興味があれば、どうぞ最後まで、
お付き合いくださいませ。
野球少年たちの雑談
息子が中学生になり、
野球部に入部したので、
時々、練習試合の送迎当番をしています。
5-6人乗せるのですが、
道中どんな会話をするのかな?と、
運転しながらこっそり聞いています笑
試合の戦略や、反省会なのかな?と、
思いきや、実際は、
先生たちのモノマネや、
テストの点数など、
とりとめもない話題が多いです笑
そんなある日の会話です。
あーあ、俺は今日も、ヘマして怒られたよ。
野球少年たち
俺もだよ。でも、監督の言うことはもっともだよな。
野球少年たち
なんか、〇〇中学校の監督は、こわそうだったね。
野球少年たち
なんか、キャンキャンわめいてて、何言っているか、よくわからなかったね。
野球少年たち
あれで、〇〇中学校の部員たちは、何を注意されているか、わかるのかな?
野球少年たち
親でもいるよね、キャンキャン言う人。
野球少年たち
全然何が言いたいか伝わってこないよね。何が言いたいんだろうね、ああいう人たち。
野球少年たち
ほんとだよね。
野球少年たち
子供はよくわかっている
そこで、私が割って入ります。
え?あなたたち、ただ感情任せで、キャンキャンわめいている大人がわかるの?
私
え?ただ怒鳴り散らかしている人ですか?
野球少年たち
そうそう。
私
それはわかりますよ。
野球少年たち
どうして?
私
え?だって、本当に、自分のためを思って言ってくれる人は、「バカだから」とか、「だからお前はダメなんだよ」とか、余計なことは言いませんから。
野球少年たち
ふーん。すごいね、わかっているんだ。
私
逆に、自分たちのことを、本気で思って言ってくれる人の言葉は、どんどん入ってきますよ。
野球少年たち
へー!すごいね!
私
そんなの、感覚でわかるじゃないですか。
野球少年たち
じゃあ、あなたたちの前で、下手なことは言えないね。
私
いや、別にこっちが、判断するんで大丈夫ですよ。
野球少年たち
「怒る」と「叱る」を見分ける
野球少年たちは、
全員ではないにしても、
いろんな注意の仕方をする大人を、
よく観察していました。
それを、仲間と話題にして、
冷静に共有していました。
そして、なんとなく、
「怒る」と「叱る」について、
肌感覚で、ジャッジしていたのです。
じゃあ、ただ感情任せで、キャンキャンわめいている大人は、怖くないの?
私
いやー、僕たちもまだ子供なんで、それは、さすがに、怖いですよ。
野球少年たち
じゃあ、緊張しちゃう?
私
うーん、ただ、早く過ぎ去れって感じで、言っている言葉は全然伝わってこないです。
野球少年たち
そうかー。じゃあさ、そういう大人に出会っても、自分が振り回されないように、気を付けてね。
私
そうですね。できればそうしたいですね。
野球少年たち
子供って、案外冷静って、思いました。
子供が言うこときかない
そう言えば、家でも、
息子が、言うことを素直に聞く時と、
全く聞かないことがありました。
また、こんなに、散らかしてー!いい加減に、片付けなさーい!
私
また、そんな、金切り声を出して。今、やろうと思ってたのに、やる気が失せた。
息子
そんな言い訳通用しません!片付けないと、野球部やめさせるわよ!
私
でた、脅し文句!俺は、そんな脅しには、乗らないからね。
息子
つべこべ言わず、片付けろー!
私
とこんな風になると、全く言うことを聞きません笑
なぜそうして欲しいか本気で考える
そして、私は、戦略を練ります。
確かに、部屋が散らかってて、
イライラしているのは、
私個人の感情であり、
息子自身は、大して気にしていない。
むしろ、散らかっている部屋で、
過ごしているのが、
心地よさそうにさえ見える。
すぐに手の届くところに、
なんでもあるから、
そこをあまり動かずに、
自分のしたいことに没頭できている。
しかし、散らかった状況を見た、
私自身がイライラして、
その自分の感情に乗っ取られたまま、
声と言葉を発してしまった。
息子自身が、
どうなりたいとか、
何がしたいとか、
どんな状況を望んでいるとか、
そういうことは一切考えずに、
自分の都合だけで注意してしまった。
つまり、
私が不快に感じているんだから、
どうにかしなさい!
という、完全なる自己都合で、
自分の感情のままに、
怒っていたわけなのです。
そう言う時の声は、
なぜか、いつもの声より少し高めの、
上滑りな金切り声になるのです。
よし、次は、息子のことを本気で思って言ってみよう。
私
もう一度、挑戦しました。
言い方が変わってくる
深呼吸をして、
腹の底から力を込めて語りかけます。
あのさ、そういう散らかった部屋で過ごしてて、居心地がいいの?
私
そうだね。自分では、何がどこにあるのか、全部わかっているし。
息子
ふーん。じゃあ、どうしても、片付けたくないんだね。
私
いよいよ困ったら、自分から片付けるよ。
息子
わかった信じる。じゃあ、そのタイミングは、あなたに任せましょう。ただし
私
ただし?
息子
ここから先は共有スペースだから、この枠からはみ出さないこと。
私
えー!
息子
この枠内で十分でしょ?家族の一員であるなら、この決まりごとは守ってもらわないと。
私
わかったよ。それならできそう。
息子
そういう、自分の境界が守れないと、家族はおろか、社会に出て、誰ともうまくやっていけないからね。
私
え?そうなの?
息子
そうよ、人にはそれぞれパーソナルスペースがあるんだから、場所も心も。そこはわきまえないと、嫌がられるよ。家族といえども。
私
えー!俺嫌われちゃうの?
息子
あなたと言う人間は大好きけど、共有スペースまで散らかすような行動は嫌い。
私
ふーん。なるほどね、それならわかる。じゃあ、お母さんも、俺のパーソナルスペースに口出ししないでね、俺もその境界は守るから。
息子
お、おう。わかってくれたならいいのよ、息子よ。
私
最初から、そういう風に言ってくれたらいいのに。無駄な時間と労力だったね、お母さん。
息子
うっ。確かに、自分都合の、感情任せで言っても、何も解決しなかったし、無駄だった。
私
これからは、気をつけてね、お母さん!
息子
は、はい、わかりました、気をつけます。あれ、なんか、おかしいな?
私
自己都合の感情任せは伝わらない
子供が、大きくなってくると、
ますます、ただキャンキャン言うだけの、
注意は通じないんだなと、思いました。
どう言うことなのか、
魔女医にも相談に行きました。
魔女医、子供がだんだん育ってくると、注意するのが難しいものですね。
私
そう?子供は小さいうちから、とっくに感覚でわかってるわよ。
魔女医
へ?そうなんですか?
私
そうよ。どうしてか?はわからなくても、大人が、自己都合で怒っているかどうかくらい、見抜くわよ。
魔女医
そういえば、私も子供時代そうだったな。親や大人の機嫌次第であまり中身のない、八つ当たりな怒られ方をした時には、その場しのぎでは言うことを聞いたけど、全然心に響かなかったな。むしろ、軽蔑してたかも。
私
そう。本当にその人の心に響くような注意の仕方をするならば、自己都合の感情任せや、八つ当たり的な、やり方では、むしろ逆効果で、全然伝わらない。
魔女医
確かに、そうですね。
私
無駄なエネルギーを使うだけなのよ。
魔女医
確かに。
私
情熱と冷静をうまく使う
けれど、じゃあ、ただやさしく言えばいいかと言われたら、それも違う。
魔女医
え?そうなんですか?
私
そこに、相手の未来を本気で思う、情熱がこもってないと、伝わらない。
魔女医
相手の未来を、本気で思う情熱ですか?
私
そう、それがなくて、ただ表面的なやさしい言葉は、その時は心地いいかもしれないけど、残らない。
魔女医
うーん、怖くても、やさしくても、とにかく自己都合だけだと、伝わらないんですね?
私
そう。けど、たとえ情熱があっても、冷静さがなく、感情に任せた、金切り声や、怒鳴り声でも、通じない。
魔女医
えー!もうどうすればいいんですか?
私
本能に届く伝え方
まず、とにかく、それを今注意しないと、相手の未来がどうなるか?と考えて、やはり注意してあげたほうがいい場合には、冷静に淡々とそれを教えてあげる。
魔女医
なるほど。
私
言うことを聞かせたいとか、自分がそうじゃないと嫌だとか、そう言う自己都合のエゴは捨てて、本気で相手のことを考える。
魔女医
まずは、そこが大事なんですね。
私
そして、大事なのは、言い方よ。
魔女医
言い方?
私
声を大事にするの。
魔女医
声?
私
感情や情動のあり方が、声の出し方に繋がるからね。
魔女医
そうなんですか?
私
だって、人間は、声を使って、言葉で伝えるわけだから。
魔女医
そうか。
私
動物には、言葉がないから、鳴き声だけで何かを伝えることもあるでしょ?
魔女医
そうですね。言葉も大事ですが、どんな声かも大事ですね。
私
声は、波動だからね。
魔女医
確かに。
私
本気で何かを伝えたい時は、自然と、腹のそこから出る、低めの声になるはずよ。
魔女医
冷静になればなるほど、金切り声は出なくなりますね。
私
そう、ドスの効いた、低めの響く声を出すのよ。そして、言葉は、ゆっくり、はっきりと、言うの。
魔女医
なるほど。確かに、本気の時は、自然とそうなってました。
私
できれば、なんとなく言うのではなく、「ちょっといいかしら?」とか言って、かしこまってちゃんと向き合って言えると、なおさらいいけどね。
魔女医
うーん、毎回そこまでは難しいですね。
私
日々の小言はあっても、本当に本気で伝えたいことは、そんなにしょっちゅう、あるわけじゃないのよ。
魔女医
確かに、そうですね。
私
だから、ここぞという時は、そういう方法を使えば、効果的よ。
魔女医
わかりました。
私
大人同士でも通じる方法だからね。
魔女医
相手のことを思う情熱と本気を保ちながらも、冷静に淡々と、伝えるんですね。
私
そう。
魔女医
毅然として、迫力が出ればいいんですよね?こちらの本気が伝わるような。
私
そう言うこと。まあ試してみてね。
魔女医
しばらくして。
魔女医!だいぶ、息子が聞く耳を持ってくれるようになってきましたよ。
私
そう。それは良かったわね。
魔女医
相変わらず、色々とダメ出しはされますけど。
私
もしかして、息子さんは、前世で、あなたの上司だったんじゃない?
魔女医
え?そう言えば、生まれた時に、初めて会った気がしなかったような、、、
私
まあ、しっかりしているからいいじゃない。子供にとって、親は1つの通過点でしかないんだから、どんどん超えて行ってもらえばいいのよ。
魔女医
そうですね。
私
ただし、まだまだ、成長過程の未熟な部分があるから、無関心や無視はいけないよ。
魔女医
はい。つかず離れずで、いざという時は、向き合うスタンスで、うまくやっていきます。
私
そうね、それがいいわね。
魔女医
はい!ありがとうございました!
私
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「怒る」は自己都合で、
自分の感情任せで行なっていることで、
「叱る」は相手を本気で思って、
冷静に伝えようと行うことなんですね。
「叱る」の方が、
本気と情熱を伴っているので、
相手の心の奥まで届くんですね。
そして、人間だけが持っている、
言葉のチョイスも大事ですが、
簡単で少ない言葉でも、
声の出し方次第では、
十分伝わることもありそうですよね。
難しい言葉を並べるより、
簡単でわかりやすい言葉を、
はっきりと短めに、
低めのよく響く声で伝える。
もし、注意の仕方などで、
お悩みの方がおられたら、
参考にしてみてくださいね。
最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました!