自立を促すために自発を奪わないようにするとっておきの方法とは？

ちょっとー、あなたいつまで、そこでゴロゴロして、テレビ見ているのよ？

はあー？いいだろう？ちょっとくらい、ダラダラさせてよ。

もう、さっきから、ずっとじゃん。私はこんなに、動いているのに。

俺は、俺のペースでいいでしょ？

この前も、あなたの実家で、おかあさんがなんでもしてくれるのをいいことに、相当ぐうたらしてたわよね。

いいだろう？実家に帰った時ぐらい。

とにかく、洗い物が片付いてないと、嫌なんだけど。あなたの役割でしょう？

あとから、ちゃんとするから、置いといてよ。

電球もとりかえてって言ったのに、なかなかやってくれないじゃん。

やるからやるから。

ただいまー。留守番、お疲れまでした。

はい、おかえり。

あれ？なんか、家がめちゃくちゃ片付いているね！

ああ、お前さんのいない間に、色々やっておいたよ。

それは、どうも、ありがとう。

ああ、ついでに、ふとんのカバー類も、コインランドリーで洗っといたから。

ええ？そんなの全然頼んでないし、期待もしてなかったのに。なんで？

なぜだか、わからないけど、俺は、お前さんがいないほうが、色々できちゃうんだよなー。

ええ？私がいないほうが、色々とはかどるの？

そうなんだよ。お前さんが、そばにいると、やる気が吸い取られていくように感じる。

は？なんですと？

いないと、みるみるやる気が出てきて、色々できるようになる。

ええー？それって、私が、あなたをダメにしてるってこと？

いや、そこまで言ってないけど。まあ、そういうことだから。あとは、よろしくー。

え？ちょっとどこいくのよ？

ごほうびに、遊んできまーす。

また、パチンコか、、、

こらー！いつまで、ゲームしているの！

はいはい。せっかく、今やめようとしていたのに、そう言われたら、続けたくなるわー。

まだ、何にも終わってないでしょう？ピアノも、お風呂も、宿題も

はいはい。やりますよ、やればいいんでしょ？

言われる前にやれば、言われなくてすむのに。

そう言われると、ますますやる気なくすわー。

キーッ！

ねえねえ、今日は、お父さんとお母さんは、どうしても食べたいものがあって、外食したいんだけど。

え？俺行かないよ。

えー！一緒に行こうよ。そんなに時間かからないから。

嫌だよ。2人でデートしてきてよ。

それも、気まずいし、一緒に行こうよ。

嫌だ。1人で留守番しとく。

じゃあ、1人分準備して食事置いとくね。おみやも買ってくるから。

やったー！おみや楽しみ！じゃあ、いってらっしゃい！

おかえりー！おいしかった？

はい、おかげさまで。

ところで、宿題や、ピアノは、もうやったの？

当たり前じゃん！もう、今日やるべきことは、ぜーんぶ終わらせた。

へ？

1人でいたら、色々、はかどったわー。

ええー？てっきり、ゲームばっかりして、何もしてないと思ったのに。

さて、あとは、ゆっくり、ゲームでもするか？これなら、文句ないでしょ？

う、うん。そうだね。

たまには、お母さんとデートして、我が息子を1人にしてあげないと、いけないなあ。わっはっは。

外食でおいしいもの食べたいだけでしょ？ますます、太るわよ。

ふん。俺は、息子のためにそうしてるんだぞ。

つまりさーお母さんがそばにいると、やる気が失せるんだよ。

はあ？

なんか、テキパキつねに動いているし、早くしなさいしなさいオーラがあるから、反発したくなる。

はいー？

そうだよなあ？我が息子よ！俺もそうだよ。全く同意見。

なんなのよ、あななたちは！自分のぐうたらを、私のせいにしたいわけ？

いやーなんでか知らないけど、そうなんだよ。ごめんね、お母さん。

いや、謝られても、、、

しょうがいないよなあ、我が息子よ。

そうそう。だーれも悪くない！

うーん、、、そうか、、、2人が同じ意見ってことは、やっぱりそれは、本当なんだな。

ねえねえ、妖精魔、ひどくない？2人とも、やる気が出ないのは、私のせいだっていうのよ。

ふふふ。でも、確かにあの2人、あなたがいない時に、がぜんやる気になるよね？

やっぱり、私に何か原因があるのよね？

ふふふ。それは、きっと、そうなのね。

がーん！一体、私の何が悪いっていうのよ？ただ、前向きに色々、行動しているだけなのに？

ふふふ。そうそれそれ。

え？

あなたが、前向きで自立しすぎているから。

ええ？それは、いいことだと思うんだけど。

いいことなんだけど、物事には、プラスマイナスや、陰陽など、どちらかが強すぎると、バランスを取ろうとして、反対側も強くなっていくのよ。

ええー？

だから、2人は、あなたが、前向き、自立なエネルギーになればなるほど、その逆になる。

なんですと？

知らず知らずのうちに、バランスを取ろうとして、お互いが反対側に向かって行っているのよ。

そしたら、どうなっっちゃうの？

ますます、お互いが理解できなくなって、わかりあえなくなる。

がーん！

もっと言うと、あなたのその強過ぎる、陽の気が、彼らのやる気を奪っていたというわけ。

そんなー！よかれと思って注意してあげてたのに！

でも、彼らの、そうなってしまう状況には、寄り添ってないじゃない全然。

うっ。た、たしかに。前向きで、テキパキ行動するのが、絶対正しいと思っていたかも。

でしょ？

患者さんの診察の時には、どんな状況の方にも寄り添える、けっこういい医者なんだけどなあ。

自分で言っちゃう？白衣の威を借りているのね、きっと。

う、うん。まあ、自分に暗示をかけているのかもしれないね。仕事だったら、真剣にその人の立場を考えるのに、プライベートではなかなか、できないなあ。

まあ、誰でも、そういうものよ。

じゃあ、これから、どうしたらいいの？私は、ネガティブで依存的になればいいの？

そうは言ってないわよ。そうならざるを得なくて、そうなるなら仕方ないけど、無理してそうなる必要はないわ。

もう、どうしたら、いいかわからないー！

息子さんとは仕方ないとして、あなただって、かつて、ご主人と逆の立場だったこともあったはずよ。

ああ、そう言えば、20代のころ私がいじけていた時や、30代で私が病気になった時は、あの人元気だったかも。

でしょ？その時、あなた、どういう気持ちだったのよ？

ふん、あなたはいいわよね、元気で、動きまわれて、友達もたくさんいて、、、けっこう、ネガティブに考えてたわね。

そうでしょ？

そうかー誰でも、どっちでもなりえるんだな。

もちろん、元々のものは、あるわよ。

私はきっと、元々は、前向きで、自発的なのよ。それが、心地いい。

そう。だから、調子のいい時は、どんどんそうなる。

確かにね。じゃあどうしたらいい？

反対側も、理解しようとしたらいいのよ。

理解しようとする？

自分がそうなることによって、どんな影響を与えてるのかな？とか、どんな気持ちになっているかな？とか。

そうかー。本当の意味での共感性を無視して、どんどん突き進むから、相手のエネルギーを奪い、反発を生んでしまうんだね。

まあ、そういうことかな。

全ての原因は、自分にあったんだねー。

あれ？ちょっと、しんみりしている？

だってー実は自分が、彼らの自発性を奪っていたなんて、夢にも思わなかったもんねー。

気付いたから良かったじゃない。

ほんとだねー。ポワーン。

なんか、心ここにあらずね。

きっと、今、呆然として、観念が書き換わっている最中なんだねー。

おっとっと。現実に戻ってと。じゃあ、これから、具体的にどうしようかな？

変わり身も早い。さすが、レッツポジティブさんね。

くよくよ考えてたってしょうがねー。

そうね。あの2人は、あなたの気配がなければ、自発的になるんだから、そういう状況をなるべく作るとか、頼ってみるとか、そういう工夫がいるんじゃない？

つまり、そばで、ギャーギャーわめいて、干渉するのではなく、距離を保てと。

そう。家族と言えども、個人の領域まで侵入しないように。特にこれから、息子さんが年頃になっていくから。

時間や空間に、1人のスペースをお互いに確保して、余計な干渉はし合わないと。

そう。ただし、１つだけ、注意点があるわ。

なに？

お互いに対する、興味関心まで、失わないってことよ。

興味関心？

個人的な時間や空間が増えて、距離感はとっても、お互いのことがどうでもいいような、無関心無頓着な関係には、ならないように。

まあ、そうなったら、もう一緒に過ごす意味もなくなるもんね。

だけどね、家族や血縁ってのは、厄介なものよ。お互いに良い影響を与えあってなくても、義務感で縛られたりするからね。

なるほど、そうかもね。

だから、近い関係こそ、そういう力動を知って、なおさら、歩み寄らないとうまくいかない。

そうね。気をつけてみる。

まあ、とにかく、仲良く穏やかにね！

そうだね。

本来は、いがみ合って、エネルギーを失う場所でなく、居心地がよくて、エネルギーが充電される場所なはずだからね、家庭や自宅は。

そうだね。1人でも家族がいても、自分を充電する居場所を大事にしないとね。

そういうこと。

ありがとう、妖精魔！