先生!私、うつ病になって本当に良かった!
出会ったころのあなたの精神内界は
絶望の崖っ淵にいて
死の誘惑と必死に闘っていたよね
そう、かなり重症なうつ病だった
入院であなたを守ろうとしたけど
あなたも家族も嫌がって
内心ハラハラしていたの
私はあなたの回復力を
信じるしかなくて、、、
でも、持ち前の真面目さで
治療に向き合ってくれたから
少しずつ良くなっていったよね
あなたは本当に辛抱強かった
あと一歩がなかなか良くならなくて
薬も減らしたいけど減らせない
これが限界なのか、、、
そう思っていたある日
あなたは重大な告白をしてくれた
自分が背負ってきた十字架を
私を信頼してありのまま話してくれた
はたから見れば
あなたが背負う十字架ではないのに
責任感の強さから
罪悪感を強く感じ続けてきて、、、
そう、その罪悪感が心のつっかえだった
ごめんね気付いてあげられなくて
勇気を出して
打ち明けてもらえたことうれしかった
回復の段階を経て
話せるタイミングが
ちょうどその時おとずれたんだね
浄化の美しい涙がたくさん流れて
カタルシスが起こった瞬間だったのかもしれない
お天気雨がやんで虹が見えたのよ
あなたの精神内界に
雨雲の晴れ間から刺す光を感じながら流す涙だった
それからのあなたと言ったら
何かのおもりが取れたように
どんどん軽やかに活動的になっていったわ
薬もどんどん減っていったし
好きなことだって
どんどんできるようになっていった
興味と喜びを溢れさせて
そしてとうとうあなたは見つけた
自分の情熱を傾けられることを
人からどんどん頼まれるようになって
お金を払うからお願いしたいとまで
言われるようになって
あなたはどんどん自信を取り戻して
キラキラした瞳でエネルギッシュに
ある日こう言ったのよ
「先生!私あの時うつ病になって良かった!あのままなんとなく生きてたら、本当に自分がやりたいことに気付けなかったかもしれない」
私は、その言葉は真実だと感じたの
だって私の心がじわっとあたたかくなったから
ここまで10年近くかかったよね
途中でくじけてもおかしくない
長い長い精神の旅だった
でもね、この生き生きとしたあなたの姿を
なぜか私は懐かしく感じたの
お帰りなさい、待っていたわって
どうしてかしら?
きっと、
最初にあなたに会ったときに
わかっていたのよね
これがあなたの本来の自然な姿だってことを
いつかその姿に戻ることは
わかっていたし信じていた
ああ、そうだよね、元に戻っただけだよねって
暗闇の中で、
生きることをあきらめないで良かったね
ゆっくりと一歩ずつだったけど
ちゃんと自分で出口を見つけて
光の当たる方に出て行ったんだ
私はそれをそばで見守るしかなかった
本来の姿に戻ることを信じるしかなかった
10年間が無駄だったのか?
私はそう思わない
今あなたが感じている喜びによって
あの時の絶望は必要なことだったと
そういう捉え方に変えられたから
もう、あの時感じていた絶望は
あなたの精神内界から消えてなくなった
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