夢見る夢子ちゃんのおはなし
あるところに、
夢の国に迷い込んだ
夢見る夢子ちゃんが
いました。
私は、
夢の国にいる夢子ちゃんを
現実の世界へ引き戻そうと
必死に声をかけます。
「ねーねー夢子ちゃん、夢もいいけど、現実をちょっと見てみない?」
「何言ってるのよ!夢なんかじゃない!そっちが夢でしょ?みんな、そうやって私をいじめるんだから、ガルルルル」
「わかった、わかった、ごめんごめん。夢子ちゃんは、まだそのままでいいよー。」
しばらくして
「ねーねー夢子ちゃん、そろそろちょっと現実見てみない?」
「現実って何よ?現実って、、、」
「あー、ごめんごめん、混乱しちゃうね。まだ気にしなくて大丈夫だよー。」
しばらくして
「ねーねー夢子ちゃん」
「現実でしょう?それを見るにはどうしたらいいわけ?」
「え?興味あるの?」
「夢も少し、飽きてきたし」
「夢って思えるんだね?もう少ししたら、教えてあげるよ」
しばらくして
「ねーねー夢子ちゃん」
「はい」
「いつまでも、被害他罰のままでいたら、夢から抜け出せないよー」
「被害他罰?」
「そう。ぜーんぶまわりが悪いっていう、考え方のこと。」
「・・・」
しばらくして
「ねーねー、夢」
「で、私の被害他罰は、最近どうなってるの?」
「そんな食い気味に。被害他罰は、なくなってきてるよー。すごいすごい。現実見る気になったんだねー。」
「もう、早く夢から抜け出したい。お願い、もっと教えて!」
しばらくして
「夢子ちゃん、よくがんばったね。もう現実の世界で生きていけるよ。」
「まだ、ちょっと不安だなー」
「不安は現実と向き合おうとしている証拠だよー。」
「そうかなー。」
「大丈夫。現実の世界で辛くなったら、また夢の世界へ戻っておいでー。」
「えー!もう、夢の世界には戻りたくないなぁ。現実の世界を知ったら、夢の世界はとるに足らないものになったから、、、」
「世の中を信頼して、まわりの人を信頼していれば、きっと大丈夫よ。」
「そうだね。あ、私もう行かなくちゃ!」
そうやって、夢子ちゃんは、現実世界への扉を開けて、夢の世界から出ていったのでした。
夢の世界にいると
あっと言う間に
時が過ぎ去ったけど、
あきらめずに
よくがんばったね
夢子ちゃん!
これからも
見守っていくよー。