芸術と精神 ショパンのマズルカ
芸術に優雅も下劣もない
表面をはいでしまえば
そこに横たわっているのは
エロスとタナトス
ただそれだけであり
人間そのものの自然な姿
そんなことを論じた瞬間
芸術はろくでもないものに朽ち果てるけど
それでも語ってみたいことがある
ショパンの舞踊曲
上流階級向けの
ワルツやポロネーズもいいけれど
マズルカのほうがもっと人の心を
深く捉えるような気がする
独特の農民芸術というか
コブシは効いてるけど
安っぽい感傷はなくて邪魔しない
今は亡き故郷を想い
幸せと虚しさが織りなす心の風情
ショパンの伝えたかったことが
1番託されているような気がする
芸術なんてものは
高尚である必要なんかない
誰かの心を悦ばせる
精神の核まで到達して癒す
ただそれだけでいい